北海道中膝栗毛42〜夢が叶った物語その②
2021年09月10日
北海道 白老 リハビリ療養生活37日目
どうしても会いたかった人に会えた件
1日目、小林酒造〜美瑛〜トマムへと向かったわけなんですが
トマムでの出来事は明日のブログで!!
今日はどうしてもお会いしたかったご夫婦に
お会いできた件です
こんな時期だから無理は言ったらあかんねんけど
快く「待ってるね〜」と言ってくださったのは
十勝で手広く酪農を営んでおられるOさんご夫妻
Oさんとは私の拙著「いっちゃんはビリビリマンー高次脳機能障害な夫と私の日々」を読んでくださったご縁でやりとりが始まり・・・
絶対お会いしたかった!!
ご主人様が高次脳機能障害になられ
Oさんの奥様は私と同じケアラーです
初めましてこんにちは〜😄の瞬間に
いっちゃんの心が全開になったのがわかった!!
いっちゃん笑顔で挨拶
ちゃんと「こんにちは😄」って言えてる
事前にOさんとの関係を説明して
私がどうしても訪ねたい、会いたい人やねんってことも
話したけど、フンフンと聞いてたけど
記憶に留めておけるかは謎?
でもそんなことはどうでもよくて
私がそういう目で見るからかもしれないけど
同い年の2人の高次脳なオットはかたく契りを結んだように見えた
会った瞬間に!!
少なくともいっちゃんの心は全開放
「頑張って生きて帰ってきはったんやなぁ
お互い大変な目に遭いましたな
そやけどこないして生きてる!!
それだけで我々強運でんなぁ〜」
いっちゃんは心の中でOさんに全力で大阪弁エールを送り
Oさんも全力でいっちゃんにエールを送ってくれてる
私そんな風に見えた
それだけでもう泣けてくる
いっちゃんは今までこんな風に
心を全開にできる人に会ったことがあったんやろうか
なんもわからんようになってしもたけど
ようわかる
なんや口で説明がややこしいけど
見えない障害と言われるこの高次脳機能障害
いっちゃんは重度で一目で障害があるとわかるけど
本当の意味でいっちゃんの心を全開放できる人は
そうそう多くはいなかったんじゃないだろうか
そう思うとこのブログを書きながら泣けてくる
孤独の闇と混乱の頭で14年間も
何を思い何を感じ何を願い生きてきたのだろう
私にいっちゃんの気持ちのひとかけらだって
本当の意味で慮ることができていたのだろうか
そんな2人の「こんにちは」が胸に刺さる
こんなはずじゃなかった人生を
受け入れ、よくなろうとリハビリに懸命に取り組み
生きてきた男前2人を目の前にして
泣いたらあかん
泣いたらこの男前2人に失礼やって言い聞かせた
そんな私です
そして女はたくましい
Oさんの奥様とはメールでのやりとりを繰り返し
初めてお会いするけれど
初めてじゃない
そして高次脳なオット男前2人を見ると
もう同志としか言いようがない
そんななんとも言えない感情が溢れた
いっぱい愚痴があっただろうに
美女2人もマイナスな言葉は一言も言わない
せっかく会ったのに
過去の愚痴言っても時間もったいないよね〜って感じで
今を話した
そして言ってもね、しょうがないよねって
Oさんの奥様はなんと東京のご出身
あっさりとした明るいお人柄のその笑顔の向こうに
どれだけ頑張ってこられたかが見えます
やっぱりこんな人生を歩くはずじゃなかった美女2人も
この人生、このオットで良かったと思える
自分探しを必死でしているのです
障害者の家族になるということを
牛に蠅が止まったぐらいの
そんな大したことない受け止め方を
しないとやってられないよね〜って
手を握っただけでそう思った私です
そして酪農体験までさせてもらって!!
こんなん、急に来て出来へんで。
お金払ってもできないような体験
子牛に餌とミルクをあげる
昨日生まれたばかりの赤ちゃん牛に哺乳瓶でミルクをあげる
Oさんの牧場は学生さんの酪農体験を受け入れるような
大きな牧場
関西やいろんなところの学生さんが毎年来るそうです
Oさんにテキパキと教えてもらいながら
いっちゃんと子供たち頑張りました
私は口で参加、カメラマンです(笑)
いっちゃん ちゃんと子牛に餌やれてましたよ〜
目爛々しながら!!
山盛りのお土産をいただいての帰り道
北海道のお米や高級チーズやヨーグルト 珍しい健康茶、そして十勝産のあずき
などなどもう実家に帰ったようにいっぱいお土産をいただき、
見えなくなるまで手を振って見送ってくれたOさんご夫妻
最後の最後まで
「よだれにはタオルを首から下げたらいい」ってアドバイスをくれたご主人
「恥ずかしいと思う心が大切だから」って何度も言ってくれた
あれからいっちゃん首にタオルかけてます
なかなか自分では拭かへんけど
恥ずかしい気持ち・ちゃんとしたい気持ち思い出してもらいます
そう自分の口で教えてくれたOさんに
うちの動物大好きな娘が
「Oさんちゃんと喋れていいなって思ったわ
パパももう少し自分の気持ち喋れたら違うのに
ちょっと羨ましかったわぁ〜」
そう言ってた
ないものねだりのようだが、私もそう思った
きっと息子も思ったに違いない
目に見えない障害
リハビリすれば緩やかにでも改善する
高次脳機能障害をもっとみんなに知ってもらいたい
病気や事故は一瞬だけど
高次脳機能障害としての長い長い人生を
少しでも夢や希望を持って生きてほしい
そうさらに強く思った十勝での一日
(お写真はご本人の許可を得て載せさせていただいています)